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2022.08.14
注文住宅と建売住宅の違いについて
こんにちは。 エコーアートの袴田大地です。
最近、お役立ちブログを月1での更新を目標にしているのですが、なかなか時間が取れず。
少し、時間が空いてしまいました。
コロナが収束しそうな気配を見せたと思ったら、今度はロシアとウクライナの戦争…。
なかなか明るい話がありませんが、家づくりは楽しいものです。
前向きな話ができるブログにもしていきたいと思います。
本日は、「注文住宅と建売住宅の違いについて」書きたいと思います。
このタイトルでブログを書こうと思ったのには理由があります。
前述しましたように、最近はコロナと戦争のダブルパンチで、家の価格が高騰しています。
そんな中、今まで注文住宅で考えていた方が建売住宅の検討も視野に入れている方が少なからず、いらっしゃると思ったからです。
注文住宅に比べて、建売住宅は安価ですからね。
そこで、「注文住宅と建売住宅の違いについて」公平な目で見て、書いていきたいと思います。
まずは、違いについて書く前に各々の詳しい説明をしていきます。
注文住宅について
まず、注文住宅から見てみましょう。
注文住宅というと、どのようなイメージがあるでしょうか。
お客様と住宅会社で1から自由に造り上げていくというイメージが強いと思います。
上記のことは、半分正解、半分不正解だと私は考えています。
どのようなことか?まずは、正解部分から見てみましょう。
間取りは、お客様が住宅会社に要望を伝えて、主に住宅会社の担当者の力量によって決まります。
「力量」ですよ(笑)
家は、担当者によって決まるとはこのこと。
住宅会社によっては、間取りを設計士が考える会社と営業担当が考える会社に分かれます。
ちなみに、営業の職種は建築系の学科を卒業していなくてもなれます(>_<)
私は、過去にハウスメーカーの営業をやっていたことがあります。
(私は、高校大学と建築を学んでから、ハウスメーカーに就職しました。)
私がいたハウスメーカーは、しっかり建築士の資格を持っている設計士が考えていました。
しかし、最近あるお客様から聞いた話やyoutube、ホームページでいろいろ調べていると
営業マンが間取りを考えているという大手ハウスメーカーがあることを知りました。
鉄骨系メーカーなら良いのかもしれませんが…木造のハウスメーカーでもあるとのこと。
木造は、耐震性やデザイン性は間取りや外観で決まってくるため、建築士の資格を持っておらず、かつ現場のことがほぼ素人並みにしか分からない営業マンが間取りを書いているというのは、少々危険かと思います。
※営業マンは、入社後、長時間研修を受けてから、営業現場に立ちます。研修内容は多岐にわたり、資金の話、住宅ローンの話、税金・補助金の話、接客マナーの話、対話コミュニケーションの話、自社の建物の話、一般建築の話、競合他社の話、建築現場研修、など毎日頭の中に知識を詰め込んで…やっと、接客ができるようになります。
資金の話、住宅ローンの話、接客マナーの話、対話コミュニケーションは、とても鍛えられますが、建築系の研修はお客様より分かる程度にしか教えてくれません。
営業はお客様から契約をもらうのが仕事であり、現場を知っているよりも、お金の話が出来た方が契約に結び付きやすいですからね。
建築現場のことは、お客様で分かる方は、ほぼいません。
営業マンは、お客様より現場のことが分かれば、それで良いという捉え方、考え方をしているハウスメーカーがほとんどです。
それくらい現場のことを学んでいない営業マンが考える間取りを、提案として受けて、気に入れば契約をして、一生その地に残り、お客様は住み続けるのです。
※私は、先にも申しましたように、大手ハウスメーカーに勤務した際に、上記の研修を受けました。研修期間は、約3か月でした。3か月の間に、上記のこと全てを学びます。営業は全部で40~50人程いましたが、建築士の資格を持っている方は0名でした。
現場研修に割かれた時間は、そのうち約2週間~3週間程度でした。
会社の体制によりますので、一概には言い切れませんが。
では、残りの「半分不正解」のお話をします。
お客様と1から作り上げることが「半分不正解?」どういうことでしょうか。
建てられる建築地(現場の敷地)によって、お客様の必要な部屋数や暮らしにもよりますが、7割型、間取りは決まってきます。
玄関は多くが、道路に面した方向に設けられます。
外観的に、家の顔になる方向=道路に面した方向になるためです。
玄関が付くところには、ほぼ屋根が付きます!
それは、玄関に入る時、または出る時に雨に濡れないために設けられるもの。
また、家相も考慮するため、玄関の位置もおおよそ限られてくる場合が多いです。
次は、リビングダイニングの位置についてです。
ブログをお読み頂いている皆様のご自宅、もしくはご実家のリビングダイニングは、東西南北のどちらにありますか?
多くの方のお宅のリビングダイニングは、明るい南側に来ていることが多いと思います。
もちろん、100%南側にあるわけではありませんが…。
さらに、ダイニングの近くには必ずキッチンがきますね!
食事を配膳したり、片付けをしたりということを考えると、ダイニングの隣にキッチンがくることは自然なこと。
ですから、リビングダイニングキッチンはある程度、セットになります。
最後に、お風呂、洗面室、トイレを見てみましょう。
まず、この3つは明るくない(日が当たらない)ところにあるのが一般的です。
日当たりがいいところは、リビングダイニングが配置されるため。
また、お風呂や洗面室、トイレは使う時だけ滞在する部屋なので…という考え方もあります。
となると、北側もしくは東西側に配置されることが多いのではと考えます。
また、洗面室とお風呂は隣り合わせの部屋として考えることもお忘れなく。
あとは、子供部屋の数、寝室、ウォークインクローゼットなどの収納、和室や洋室のご要望を合わせて考えます!
このように考えると、間取りは敷地に応じてなんとなく決まっているなという印象に変わると思います。
「半分不正解」というのは間取りの考え方は、1からお客様が考えるのではなく、大枠は決まっているということです!
建売住宅について
次に建売住宅について説明しましょう。
建売住宅とは、その名の通り、建っている(完成している)家を見て、購入を検討することです。
建築中の工事現場を見学して、間取りや設備を見て購入を決定することもできるケースもあるようです。
また、工事の進捗状況によっては、キッチンやユニットバスを選ぶこともできるのだとか?
ケースバイケースですが、臨機応変に対応してもらえることもあるようです。
建売住宅の間取りについてですが、間取りは一般的なものが多いと思います。
大きさで言うと30~33坪くらいの家が多いでしょうか。
売却できなければいけないため、4LDKの部屋数が多いのではないでしょうか。
部屋名で言いますと、リビングダイニングキッチン、寝室、子供室×2、ウォークインクローゼット、水廻り…このようなところでしょうか。
ご夫婦、子供2人の4人家族を想定した間取りが多いと思います。
ランドリールームやガレージなどはないとお考え頂いた方が良いと思います。
また、メンテナンス性も思わしくないでしょう。
価格を抑えたうえで建築しなければいけないのが建売住宅とお考え下さい。
材料や素材もコストを抑えなければいけないため、必然的にメンテナンス頻度の高い素材になってしまいます。
ですから、10年~15年後にはメンテナンス費用が発生することもお忘れなく。
また価格の話もあります。注文住宅に比べて建売住宅は価格が安価なのも特徴です。
ただ、大手ハウスメーカーの建売住宅もあるのですが、こちらの価格は工務店の注文住宅よりも高価なケースも多いようです。
大手ハウスメーカーの建売は品質がしっかりしているので、確実に安心感はあると思います。
注文住宅と建売住宅の仕様の違いについて
上記では、注文住宅と建売住宅の一般的な違いを説明してきました。
ここでは、仕様の違いについて説明します。
注文住宅の仕様について
まずは、設備面から。
お風呂、キッチン、洗面台、トイレがメインの設備です。
その前に1点、重要なことをお伝えしておきますね。
設備に関しては、住宅会社を決めた後にショールーム見学に行って頂く流れになっています。
それは、大手ハウスメーカーや工務店、設計事務所のどちらで建てられるかに関わらずです。
例えば、キッチンですと、LIXIL、クリナップ、ハウステック、TOTO、ウッドワン、トクラスなど、さまざまなキッチンがあり、さらに各メーカーの中には、複数のキッチンの商品(グレードに分かれている)があります。
住宅会社は、工事請負金額に応じて、標準のキッチンを決定していることと思います。
それは、キッチンに限らずに、トイレやお風呂も標準仕様を決めていることでしょう。
標準仕様より、高価なものをお選び頂くと、差額がオプションになることと思います。
上記のことがまず、前提にあり、設備はお好きなメーカーからお選び頂けると思います。
次は、性能面の仕様についてです。
住宅の性能というと、耐震性、断熱性、気密性のことがメインになります。
ここは、詳しくは気になる住宅会社のホームページをご覧ください。
気になる住宅会社のホームページに性能面の記載がない場合は、注意してください。
その住宅会社が性能について、あまり考えていない場合があるからです。
家づくり相談会などにご参加頂いて、ご確認頂くのも1つですね。
建売住宅の仕様について
次に建売住宅の仕様を見ていきましょう。
ここでは、大手ハウスメーカーの仕様は除き、一般的な建売住宅を見ていきますね。
建売住宅の設備の仕様は、ほぼ最低ランクのものが付いていることが多いと思います。
理由は、建築費を安価にしなければいけないからです。
キッチンだけでなく、トイレやお風呂、洗面台もそんなイメージです。
アパートをイメージして頂くといいと思います。
ちなみに、網戸もオプションになることが多いようです。
性能面の仕様については、物件によって異なりますが、やはりあまり良いものではありません。長期優良住宅仕様という物件もありますが…最低ランクの長期優良住宅と言えそうでした。
高耐震、高気密高断熱が進んだ現代において、長期優良住宅を最低レベルで満たす建物は性能レベルとしては、そこまで高くありません。2016年の熊本地震のように震度7の地震が立て続けに2回来た場合は耐震レベルとしては、あまり望ましくないと思います。
以上が、建売住宅の仕様についてです。
上記の例外として、大手ハウスメーカーの建売住宅、工務店が売主になっている建売住宅があります。建売住宅と言っても性能面の仕様をしっかり考えてやっているハウスメーカーはもちろん、工務店もありますので、その辺りもしっかりご覧ください。
ただ、安価な建売住宅となると、やはり長期的に見て良くない建物もあります。
しっかりご注意頂き、ご検討頂くことをお薦めします。
注文住宅と建売住宅の違いについて
注文住宅と建売住宅の違いは、家づくりに携わる私達からすると、全く別物だという感覚です。家という括りは同じですが、全く違います。
それは、私達が家という建物を理解しているからかもしれません。
注文住宅でも建売住宅でも、同じように費用は掛かります。
デザインや性能が違うのは説明しましたが、価格も全く違います。
ご家族の安全・安心を守れるのは性能に長けている注文住宅であると思いますし、価格面でのメリットは建売住宅にあると思います。
ただ、安全・安心は買えないと思いますが。
注文住宅と建売住宅は、ご購入される方の価値観によるところも大きいと思います。
一長一短、メリット・デメリットを考慮した上で、また、長期的な視点も視野に入れて、家づくりをご検討されることをお薦めします。
長文になってしまいましたが、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
家づくりは一生に一度の方がほとんどです。
ご家族の思い出に残る家づくりをなさって頂ければと思います。
有限会社 エコ―アート 取締役 袴田大地
大学の工学部建築学科卒業後、名古屋にて大手ハウスメーカーに営業職として勤務。
その後、地元に入り、エコーアートにて営業、設計、現場管理、広報(インスタグラム、youtube、Tik Tok、ホームページ)を業務として行っている。
取得資格:1級施工管理技士、2級建築士、ライフスタイルプランナー、住宅ローンアドバイザー